イントロ
名前は聞いたことがあるけど、結局どうすごいのかよくわからない・・・。そういうミュージシャン、いませんか?私にとって、ボブ・ディランもその一人でした。
しかし今回調べてみて、人気絶頂の当時を知らなくても、そのミュージシャンや音楽の良さはわかるものだと知りました。
- 結局、何がすごいの?
- 何がいいん??
こんな方にもきっと良さをわかっていただけるはず。
✅ロックが好き
✅文学的な歌詞が好き
✅アコギのサウンドが好き
ボブ・ディランを知らなくても、こんな方々には特に喜んでいただける内容となっています!ぜひ読み進めてみてください◎。
もくじ
簡潔!ボブ・ディラン
1941生まれのアメリカのシンガーソングライター。18歳から活動し、82歳になる今も活動を続けています(2023現在)。
代表曲は「風に吹かれて」や「Like A Rolling Stone」。その他にも多くの曲がスタンダードナンバーとして、世界中のミュージシャンにカバーされています。
元はフォークシンガーとしてアコースティックギターで活動していましたが、1964年以降にビートルズやローリングストーンズといったイギリスのミュージシャンたちと交流するようになると、彼らに触発され、エレキを使ったバンド体制での楽曲も増えました。
(▼ローリングストーンズとロックの考察記事はこちら)
アメリカの時代を象徴するミュージシャンとして、ノーベル文学賞を含めた数々の賞も受賞しています。
・・・ただ悲しいかな、当時を過ごしていない世代、しかも英語をあまり理解していない私のような日本人からすると、この文面だけでは正しく良さを理解することができないのです。
なので、調べてみてスゴイと感じたポイントを以下にまとめてみました。
何がすごいん
1.時代の代弁者
ボブ・ディランが活躍した1960年代、アメリカでは黒人の人種差別に反対する公民権運動の時代でした。
そんな中リリースされた「風に吹かれて」は、それまでの体制に対する反抗=プロテストの意思を歌った曲。
人種や立場によって差別されてきた人々、その状況を変えようともがく多くの人々の胸を打ち、そんな当時のアメリカ社会をまさに表現するような曲だったわけですね。
Yes, 'n' how many deaths will it's take it 'till he knows
That too many people have died?
(”そうだ、犠牲が大きすぎたとわかるまでに一体何人死ねばいいんだ”)
2.影響がデカすぎる
まずは、ボブ・ディランから影響を受けたとされるミュージシャンたちの一覧をご覧ください。
ビートルズ、ローリングストーンズ、ブルース・スプリングスティーン、デヴィッド・ボウイ、U2、オアシス、ジェフ・バックリィ、エド・シーラン、岡林信康、吉田拓郎、井上陽水、桑田佳祐・・・
その後のポップスシーンを席巻したビッグネームばかりです。
また、このビッグネームたちからさらに影響を受けたミュージシャンたちのことを考えてみてください。
・・・とんでもないことになると思いませんか?
反体制的な弱者の歌や内省的・文学的な歌詞、そして後年そこにバンドのサウンドが加わった彼の音楽は当時とても新しく、ロックや音楽の歴史を考えた上でもものすごく大きな出来事でした。
以降の音楽シーンはボブ・ディラン抜きには考えられなかったと言っても過言ではないと思います。もう始祖。
3.フォークの礎
ボブ・ディラン以前にも「アコースティックギターで反体制を歌う」といういわゆるフォークというジャンルはありましたが、それを世界的に広め、そして現在も誰もが知るところとして残しているのはボブ・ディランの功績だと思います。
ボブ・ディランに影響を受けて、吉田拓郎さんらを筆頭として、日本でも一大フォークブームが起きました。そしてその音楽は数多のミュージシャンを経て受け継がれ、現在でも広く愛されています。
現代人でもしみるボブの良さ
ここからは社会的な良さというよりも、私が実際に聞いてみて良いと感じたポイントをお伝えします!
1.1曲1曲が文学
歌詞の和訳を見てみると、それぞれの曲がその詩だけで成立しそうなほど、物語と表現力を持っているのです。
たとえば有名な「Like A Rolling Stone」での一節。
”How does it feel
How does it feel
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone”(どんな気分だよ
たった独りになって
帰る家もなくして
名も無き存在になって
転がる石みたいになってさ)
引用:Like a Rolling Stone | The Official Bob Dylan Site
根無し草という存在を「転がる石」に例えるセンス・・・。
これは高学歴であったにも関わらず周囲の人々を侮ったことによって没落してしまった女性に対しての楽曲。侮蔑というか、戒めのような内容にも聞こえますが、「転がる石」という例えが素敵すぎて、嫌な感じのしない楽曲です。
また曲中には「何も持ってないってことは、何も失うものがないってことだ」という一節も登場し、絶望感も感じさせながらも、不思議な高揚感、希望も感じさせてくれる歌詞となっています。
ローリングストーンズがそのバンド名を「転がる石」としたのにはこの曲も関わっているとかいないとか言われていますが、「誰からも見放された根無し草、何も持っていないけど失うものもない」という存在は確かにロック魂をくすぐってきます・・・。もう甘美とも言える。
歌詞ひとつで楽曲の世界観へ飛び込むことができ、登場人物の感情に浸ることができる表現力。今からその楽曲たちを聞いても十分に感動できます。
2.クリエイティブ
これは生きる伝説みたいな大物ミュージシャンに共通して言えることですが、ものすごくクリエイティブ。
ボブ・ディランは最初アコギとプロテストの曲で大ヒットしますが、イギリスのミュージシャンたちに影響を受けた後はエレキとバンドを取り入れていますし、後年はゴスペルを取り入れてみたり、インストの曲を収録したり、サウンドの研究をしたり・・・。
その度以前の曲調を好むファンからブーイングを食らったりするのですが(ほんと大変)、反対の声と戦い、あらゆる音楽の可能性を追求し続けています。
音楽に対する自由な発想、新しいサウンドを求め続ける探求心や好奇心のおかげで、何枚も出ている彼のアルバムですが、けっして飽きることがありません。
初めてボブ・ディランを聞く方は、1枚のアルバムでピンと来なくても、ぜひ別のアルバムにも挑戦してみてほしいです・・・!
ちなみに筆者は代表作『The Freewheelin' Bob Dylan』の他に、ゴスペルやブラックの要素の入った『Slow Train Coming』が超好きです。ブラックのリズムの良さとしゃがれ声とあうんだこれが・・・。
アウトロ
ボブ・ディラン、個人的な好みにグサグサ刺さってめちゃくちゃ楽しかったです。
読んでくださったボブ・ディラン初見のみなさんも、少しでもボブ・ディランの楽曲に興味を持っていただけたらうれしいです◎
今度曲の和訳もやってみたいなぁ・・・。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
また次のすばらしい音楽でお会いしましょう!
Have a nice music!
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【引用・参考ページ】
Blowin’ in the Wind | The Official Bob Dylan Site