イントロ
夏ですよっっっ!🌻
「夏休み」という甘美な響きから遠ざかってしまった大人の皆さん!
お耳から夏休みをはじめましょう◎
今回は「夏休みといえば!」と聞けば100人中101人がこの曲を挙げるといっても過言ではない名曲、「少年時代」を深堀りしました!
- 実は夏の曲ではない
- あの有名漫画家による依頼によって作られた
- 有名アーティストによるカバーが別格
などかなりおもしろいことがわかったので、気になった方はぜひ読み進めてください。
もくじ
誰のいつの曲?
「少年時代」は1990年9月21日にリリースされた井上陽水さんの曲。
その後91年にソニーのビデオカメラのCMソングになり、そのことをきっかけに大ヒットします。ヒットは続き、97年7月にミリオンセラーとして認定されました。
井上陽水さんの楽曲の中では一番のヒットであり、陽水さんの代表曲となると共に、現在も日本の夏の代名詞のような曲であり続けています。
ここでちょっと「んっ?」となりませんか?リリースは9月21日。
夏じゃないんです・・・!
この理由は次の項目でお話します。
夏の曲じゃない?!
夏を代表する曲として夏休みに聞かないことはないほどの「少年時代」ですが、実は夏の曲ではないのです。歌詞をご覧ください。
夏が過ぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は夏模様
過ぎてんじゃん!
夢が覚め 夜の中
永い冬が 窓を閉じて
呼びかけたままで
夢はつまり 想い出のあとさき
引用:井上陽水 少年時代 歌詞 - 歌ネット
冬じゃん!!
全体をよくよく読んでみると、『冬にむかう秋に、過ぎ去った夏を回想する』曲であって、夏真っただ中の曲ではないんですよね。
実際、ソニーのビデオカメラCMでは冬の映像も使われています。
歌詞2番では思い出の中の夏にタイムスリップしますが、3番でまた戻ってきて、通り過ぎた夏の風景を思い起こしています。郷愁・・・そう、今はここに無いものを遠くから懐かしみ、いとおしむ曲だったんですね。
夏という季節そのものというより、終わってしまった今年の夏を、そして少年の頃の夏を思い返すという、懐古のほうにフォーカスを当てた楽曲だったのです。
あの漫画家の依頼によって
この曲は藤子不二雄A先生による依頼によって書かれた楽曲でした。
A先生は自身の書いた漫画『少年時代』の実写映画化に伴い、主題歌を飲み友達である陽水さんにお願いしたそう。当初はA先生の書いた詩を使う予定でしたが、最終的には陽水さんが書いた歌詞による、この「少年時代」が採用されました。
A先生と陽水さんが飲み友達だったのも驚きですが、映画の主題歌だったとは・・・。
ただ、陽水さんの「少年時代」以外の楽曲は、エッジの効いた、時に風刺の混ざった、けして子供向きとは言えない楽曲が多い中、なぜ「少年時代」だけこう爽やかなのだろう・・・と不思議に思っていたので、こうした縁やインスピレーションのもと作られた曲だったことを思うと納得です。
「風あざみ」って何?
歌詞中に登場する「風あざみ」というのは、陽水さんが夏の間に咲くオニアザミという花から連想した造語で、実在するものではないそう。
サザンの桑田さんもそうですが、語感よく、かつなぜか曲のテーマを思い起こさせる言葉を作り出すのが上手ですよね・・・!
このワードセンスの良さ、陽水さんの楽曲の大きな特徴だと思います。
陽水さんが詞を提供したPUFFYの「アジアの純真」でも、このセンスが発揮されています。
おすすめカバー5選
ここからは「少年時代」のおすすめのカバーをご紹介します!
もうカバーしていないアーティストを見つける方が難しいくらい多くのミュージシャンにカバーされているこの曲。
なかでも選りすぐりのカバーをピックアップしました。
1.沢田知可子
沢田知可子さんの「少年時代」はPS2のゲーム『ぼくのなつやすみ2』の主題歌になりました。沢田さんの広がりのある柔らかい声が美しく、郷愁の思いをぐっと引き立てます。
余談ですが、ぼくなつ2は神ゲーです。
2.suis from ヨルシカ
こちらはヨルシカのボーカル、suisさんによるカバー。アレンジはトクマルシューゴさんが担当していて、子供らしい、かわいらしいサウンドに仕上がっています。
ヨルシカではアンニュイな雰囲気を表現するsuisさんの少年のようなボーカル、めずらしい一面を聞くことのできる曲でもあります。
3.宇多田ヒカル
このお方の楽曲はどれもが独特の雰囲気を持ち合わせ、そしてなにか都会的だと感じてはいましたが、まさかこんな名曲でもそれが発揮されるとは・・・。
4.羊毛とおはな
ものすごく声の力を感じたのがこのカバーでした。ギターと声だけで雰囲気はおろか、この曲のあらゆる背景を想像させるカバーです。
郷愁を越えた哀しみさえ感じる歌。個人的にいちばん心をひっかかれたアレンジです。
【最推し】5.忌野清志郎
いちばん感動したカバーがこれです。
カバーするとどうしても原曲のアレンジや雰囲気に引っ張られてしまいます。それを良い意味で最も壊していたのがこちら。
声や歌い方のソウルフルさももちろんですが、今回はそれよりもアレンジにたまげました。レゲエ風のリズムも、イントロのコード感も最高にカッコイイ。原曲のテーマや雰囲気を大切にしながらも、完全に新しいものとして昇華させています。
清志郎さんは、やっぱり偉大です。
アウトロ
いかがでしたでしょうか!
今回は「少年時代」を中心に書きましたが、この曲が収録されたアルバム『ハンサムボーイ』(名前かわいい)もとても良い作品だったので、そのうちこのアルバムや陽水さんについてもまとめたいと思います!
そして今回、清志郎さんのスゴさも実感することができました。いずれこちらもぜひ深掘りしたい・・・!
夏は始まったばかり。
この曲を聞いて、ちょっとおいしいジュースなんか飲んじゃったりして、大人も少しでも「夏休み気分」をエンジョイしましょう!熱中症にはお気をつけて・・・!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
また次の素敵な音楽でお会いしましょう。
Have a nice Summer!
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