イントロ
音楽理論。
と聞くと、いかにも難しくてつまらなさそうですよね。楽器の演奏や曲作りをする上でこの言葉に出会い、「ウ~ッ」となった人も多いかもしれません・・・。
でも今回はこむずかしい話を抜きに、「へ~、これが音楽理論なのね」とわかっていただけるように解説してみました!
「むずかしいんでしょ?」「普通に音楽聞くぶんには関係ないでしょ?」「言葉からしてキライ」というさまざまなハードルを一旦捨てて、音楽理論の世界をちょっぴりのぞいてみませんか?
思いのほか楽しくて神秘に満ちている、音楽の奥行きがわかるはず。
もくじ
必要ないと思った人へ
「でも私演奏家でもないし曲作りもしないし、関係ないでしょ?」
確かに🤔。
でも、今楽しんでる音楽鑑賞がさらに楽しくなったり、いつもなんとなく流し聞きしているヒットソングのヒミツなんかがわかる魔法があったら・・・どうですか?習得してみたくありませんか?
星がただうすぼんやり光っているものとだけ理解していたらそれまでですが、実は気体でできている、何億光年も過去の光が今届いている・・・と知ったらがぜんおもしろみが湧くもの。
ぜひこの機会に音楽の深い世界をのぞいてみてください。チラッとでいいから!
で、音楽理論って何?
そもそも「音楽理論」とは何か。
私はこれを「音楽を形作るものの理屈・説明」だと思っています。
わかりづらいので、料理で説明しますね!
あなたが大好きなお料理をひとつ、思い浮かべてみてください。はい思い浮かべただけでおいしい!(?)
では、ちょっと考えてみてください。
- どんな味をしている?においは?食感は?
- どんなところが「おいしい」と感じる?
- 他の料理と違うところは?
- 何が入っている?
- どうしたらその味になる?
- 誰が作ったものが好き?
こんなふうに追求してみると、より深く、より細かく、そのお料理のことがわかりますよね!
音楽はなにも、バッハやベートーヴェンの時代にできたわけではありません。歴史が歴史として文献に刻まれる前から、リズムを奏でる、音を鳴らす、歌を歌う・・・といった形で、音楽は存在していました。
人々はできあがった音楽を『なぜそれが良いものに聞こえるのか?』を知るために、「良い曲はいつもこの音を使っているぞ」とか「この早さの曲だと気分がアガるな」とか分析して、それをまとめていきました。おいしい料理をもう一度味わうように、あの楽しい音楽体験をもう一度するために。
それを何百年にもわたって何人もの人間がつみかさねたもの。それが音楽理論です。
いるの?いらないの?
作り方がわからなくたっていつものお店に行けばおいしいものが食べられるように、音楽理論を知らなくても、好きなアーティストの曲さえ聞いていれば、音楽は十分に楽しいものです。
ですから、「音楽理論というものがどうしてもダメ!」という方は、ムリに知る必要はないと思います。それが例え演奏家であっても、ソングライターであっても。全く知らなくてもある程度は弾けますし、ある程度は作曲できます。
ただ、「こうするとうまくいくよ!」の知識のつみかさねが音楽理論なので、楽器や曲作り、そして音楽鑑賞をどんどん突きつめていったら、最終的にはやはり音楽理論の習得にたどりつくはずです。
もしもたどりつかずして最強のプレイヤー、ソングライター、音楽リスナーになれたのだとしたら、むしろ音楽理論は学ばないほうがいいでしょう笑。 独自に編み出した素晴らしいやり方を誇りに思うべきです。
結論として、音楽理論は「学ばなくてはいけないもの」ではなく、「必要なら学べばいいもの」と覚えておいていいでしょう。
ムリに取り組んで、苦手意識を持ってしまうのが一番ツライです・・・!自分の音楽生活にちょっと利用しよう、おもしろそうだから勉強しよう、くらいの気持ちでいいと思います。義務教育じゃないですし!
音楽理論のおもしろさ
さてここからは、音楽理論のおもしろさをご紹介していきます!
ヒット曲は同じ伴奏からできている?!
歌の後ろで流れている伴奏の、複数の音を同時に鳴らす「ジャーン」という音をコードといいます。歌曲はこのコードを組み合わせることによって流れを作り、その上にボーカルのメロディーをのせてできています。
このコードの組み合わせによって、ボーカルのメロディーの大体の流れや、曲の雰囲気そのものが決まってきます。この組み合わせのことをコード進行と呼びます。
近年の名だたるヒットソングが実は似たような伴奏からできていた!と知るとかなり驚きませんか?!
また、「伴奏が似た音でも早さが違うと全然別の曲に聞こえる」という点でも、音楽の奥深さを知ることができます。
※補足※
・実際には曲のキーが違ったり、コードの細かい装飾が違ったりしているので、「全く同じ進行」というわけではありません。進行の仕方が同じだね、という話です。
・この動画を投稿しているずっしーさんの解説は、どれも親しみやすくわかりやすいのでおすすめです!
同じ曲なのに全然違う!
こちらはあの「世界に一つだけの花」をピアノアレンジしたもの。
花屋に行くというより魔王の城へ旅立つような雰囲気になっちゃっています。(Bメロだけ普通なのがセンスを感じますね・・・)
曲には長調と短調という種類があります。クラシックですと日本語で、他のジャンルでは英語でメジャー・マイナーのような呼ばれ方をするものです。
それぞれ使える音が決まっていて、長調の音選びをすると明るい曲調に聞こえますし(本来の「世界に一つだけの花」)、短調の音選びであればどこか悲しいような曲調に聞こえます(動画の「世界に一つだけの花」)。
同じキーとリズムでもここまで曲が変わってくるなんて、おもしろいですよね!
※補足※
Nanaki Pianoさんは他にも長調/短調アレンジをしたり、誰もが知っている曲をピアノで弾いてみたりと、耳を傾けているだけで楽しめます。
楽譜を読書?!
楽譜に書かれている音符や音楽記号がわかるようになると、楽譜が読書になります。
楽譜には作曲者の伝えたいことがつめこまれています。「ここで音を大きく」という記号は『ここは大事なシーンだから盛り上げてくれ』という意味ですし、「この曲は歌うように」という指示は『この曲はとても朗らかで、救いに満ちているんだよ』という訴えだったりします。
もちろん演奏を聞けばわかることですが、楽譜の意図の汲み取り方、その表現の方法は演奏者次第です。楽譜を見れば、自分がその作曲者を好きなのか、それとも演奏者を好きなのか、元々その曲がどういう意味合いや風景を持ち合わせているのかがわかるのです。
バンドスコアにはそうした音の強弱や指示が書いていないことも多くありますが、メロディーの並びを眺めて「この部分だけやけに音が高くなっているなぁ」など違いを見つけてみると、やはりそこが曲の大事なテーマになっていたり、いつもはなんとなく聞き流しているベースフレーズを見つけてあらためて聞いてみると、実はそのパートがものすごく良い味を出していることに気付いたりできます。
好きなコのすべてを知りたいなら
私は好きな人のすべてを知り尽くしたいタイプなのですが(急なヤバイ話やめろ)、だからこそ音楽のすべても、やはり知りたいのだと思います。
音楽をとても面白いと思っている。だからその構造や理屈まで解き明かしたい。好きな曲の良さを発掘しつづけたい。また新しく素敵な曲に出会いたい。ヒミツだってぜんぶ知りたい。
「音楽理論」という難しい言葉で武装されちゃっているけれども、私達が大好きな「音楽」の一部であることにかわりはありません。
好きなコ=音楽のことを知りたい。それなら、知ればいい。
そのお手伝いができたらと切に願いますし、そのためにこれからもたくさん勉強していきたいと思います。
音楽が大好きなので!
アウトロ
いかがでしたでしょうか!
これからはなるべくわかりやすい音楽理論解説や、楽曲分析の結果などもお伝えしていきたいと思います!私自身もまだまだ勉強が必要な身なので、いっしょに学んでいけたらうれしいです◎
音楽理論に限らず、音楽の面白さを、なるべく多くの人に、なるべく深く体験していただきたいです。それがこのブログの生まれた理由なので!
まだまだ取り扱っていない音楽ジャンルや、アルバムレビューなんかもたくさんやりたい・・・!夢はふくらむばかりです♪
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
次の素敵な音楽でお会いしましょう♪
Have a nice music!
\よろしければポチッとお願いします!/
【おすすめ音楽理論本】
↓エピソードでまとめられていておもしろい
↓ギタリスト向け、中身が濃い
↓私に最初に理論を教えてくれた本
↓欲しい