今日の1曲
本日はスピッツの「桃」をご紹介します!
コアな人だけが知っている名曲です。
爽やかでエモーショナル、そして切ない。短い曲の中にその瞬間を閉じ込めたかのようなすてきな曲です。万人におすすめ。
リズム隊が良い味出しすぎてる
スピッツの曲ってどれもそうなんですが、メロがめちゃくちゃいい。
そしてそれをドラムやベースが底上げしているのが肝なんですよね。これが楽曲の奥深さにもつながっている。
崎山さんの軽快なドラムは聞いていて気持ちが良いですし、フィルも楽しい。
田村さんのベースも、「桃」では特に、ルートをただ弾いているんじゃなく、ステップするように軽やかに動き回っていて、このシンプルな構成の曲をさらに味わい深くしている。
ドラムやベース自体もすごく凝っていて、単体で聞いていても楽しいつくりになっているのです。リズム隊がもっと単調だったら、この曲自体の印象まで変わっていたのでは。
こういった低音域の、比較的めだたない部分を作り込むってカッコイイですよね!(本人たちは作り込んでいるつもりじゃなく、自然にこなしているだけなのかもしれませんが・・・)
神は細部に宿る、という言葉を思い出させます。
ズルイほど心つかむ歌詞
「そんなん言ったら心わしづかみやん」という歌詞フレーズを、私は『反則フレーズ』と呼んでいます。この使い方がうまい歌詞はだいたい人の心つかみます。
好きな女の子に言う「好きだよ」みたいなものだと思ってください。
(何を言ってんだ状態の方もいると思いますが、ちょっとだけ我慢してください。)
『反則フレーズ』は使えば使うほどいいわけではありません。使うほ嘘くさく、軽々しくなるからです。あくまでバランスが大切。日常の中でふと伝えた言葉がグッと響くのと同じです。
草野さんはこの『反則フレーズ』の使い方が天才的です。
「桃」のサビ冒頭を見てみましょう。
つかまえたその手を 離すことはない
引用:スピッツ 桃 歌詞 - 歌ネット
はい反則!ダメです!
良すぎる!!
Aメロにただよう、日常の中にある情景や抽象的な表現をかきわけて、このフレーズがぱっと輝くよう。
声に出したい日本語すぎます。ずるいくらい惹かれるフレーズ。
春に聴きたいスピッツを聞き逃すな!
ところでなぜ今日「桃」をご紹介したかというと、実はこの曲、「春に聴きたいスピッツ」というデジタルコンピレーションアルバムに入っているのです。
これはファンが選んだ春に聴きたいスピッツの曲を収録したもの。
公開は2024年春限定とのことなので、春が終わる前にぜひチェックしてみてください。「若葉」とかもたまらんよなぁ・・・!