「拍子って何?」
と聞かれて、あなたは答えられますか?
メロディやコードとくらべてどうしても置いていかれがちなリズムの理論の中から、今回は拍子について解説していきます!
リズムについてはこちらもどうぞ↓
1.拍子とは
そもそもリズムとは?
まずは何も言わず、次の文章を心の中で音読してみてください。
つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽとつづけて五六粒泡を吐きました。それはゆれながら水銀のように光って斜めに上の方へのぼって行きました。
さて、どんな風に読んだでしょう。
おそらく無意識のうちに、文章の意味合いが切れるちょうどいいタイミングで立ち止まったり、言葉の意味や響きによって抑揚がついたりしたはずです。
一定の間隔で刻まれる音、その繰り返しの心地よさをリズムといいます。
どんな生き物にも鼓動というリズムが流れており、文章を読んだり、歩いたり、そうした日常動作のひとつひとつに、このリズムは反映されるのです。
で、拍子とは?
まず、文章における文字ひとつひとつのように、リズムを構成するひとつひとつの音のことを拍といいます。
この拍が集まったものが拍子です。
まずは一度、この音を聞いてみてください。
このひとつひとつが拍。
このままだと抑揚がなく区切りもわかりづらいため、どういうリズムなのかわかりづらいですよね。
次に、こちらを聞いてみてください。
(※イヤホン推奨)
バスドラムとスネアの強弱によって、4拍でひとかたまり=4拍子とわかりやすくなったと思いませんか?
続いてこちら。
バスドラムのおかげで、強弱弱の3拍のリズム=3拍子がわかりやすくなりました。
こんなふうに
- それぞれに独自のアクセントを持った
- いくつかの拍のカタマリを
拍子と呼ぶのです。
2.記号の見方
拍子はこんな風に記号で表現されます。
これは「4分の4拍子」と読み、「一小節に四分音符が4つ入るよ」ということを意味します。下が音符の種類で、上がその音符が一小節のあいだに入る数です。
形は分数にそっくりですが、意味はまったく違うので注意!
分数の4/4は「4個にわけたうちの4つ(つまり1)」を意味しますが、拍子記号の分母の4は音符の種類を表しているに過ぎません。
つまり拍子記号は約分することができません。
例えば分数の6/8は約分すると2/3ですが、拍子において、6/8拍子と2/3拍子はまったく別物です。
ここ、とても紛らわしいのでご注意を・・・!
また、4/4や3/4などあまりにもよく使われる拍子は、分母を省略して「4拍子」「3拍子」と呼ばれるほうが多いです。
分母が省略されていたら「四分音符ね~」と思うようにしましょう。
3.曲でわかる拍子
理屈をムニャムニャ並べてきましたが、ここからはそれぞれの拍子の曲を聞いて、感覚をつかんでみてください。
ここまでで「ぜ~んぜんわからん」となった人も、曲を聞いてみれば、なんとなくその意味がわかるはずです。
3拍子
映画「ハウルの動く城」のメインテーマ、「人生のメリーゴーラウンド」は典型的な3拍子です。
意識してみると、メロディーの後ろでズンッチャッチャというようなリズムが刻まれているのがわかると思います。
また、軽快な3拍子で、舞踏に適した曲をワルツと呼びます。
クラシックに多い形式。
4拍子
ポップスの大体が4拍子です。
ドラムに耳を澄ますと、ドン・タン・ドコドン・タンと4拍のリズムを繰り返していることがわかると思います。
こういったJ-POPなどは大体が4拍子、まれに3拍子のリズムで進行しています。
変拍子
ご紹介した4拍子や3拍子、その他2拍子や6/8拍子がポップスでは使われることが多いのですが、もちろん中にはそれ以外の変わり種もいます。
これを変拍子と呼びます。
理屈をいっぺんに理解しようと思うと難しいので、ひとまず聞いて「へえ~」となってみてください。
こちらは誰しも聞いたことがある、「スパイ大作戦」のテーマ。
耳なじみのよい曲ですが、試しにチャッチャッチャーラーというメインのフレーズに合わせて「1・2・3・4」と数えてみてください。
4拍子ではどんどんズレていくはず。
そう、この曲は5拍子なのです。
変拍子と聞くととても高等な音楽に聞こえますが、実はこんなに身近な曲にも使われていたりします。知ってみるとなかなかおもしろいですよ!
4.まとめ
拍子とは・・・
- 拍のカタマリ
- それぞれにアクセントを持つ
- 約分ダメ、絶対
- ポップスは大体4か3拍子
基礎の基礎としてはこれくらいわかっていれば混乱しないかな・・・!と思います。
もっと学んでいくと「待って、2拍子って結局何?」「6/8拍子だと・・・?」などなどさまざまに疑問がわいてくるかと思いますが、基本に立ち返りながら少しずつ学び進めていきましょう・・・一緒に・・・!!
(筆者はいつもこの2つでつまずきます)
メロディ・コードだけでなく、リズムも音楽の重要な要素。
知れば知るほど奥深く、さらに音楽の面白みを感じることができますので、興味が出たらぜひいろいろなリズムの楽曲を聞いてみてくださいね!
お読みいただき、ありがとうございました!
次の素晴らしい音楽でお会いしましょう。
Have a nice music!