
はっぴいえんどの『風街ろまん』といえば、邦楽史を大きく動かしたレジェンドアルバムです。
この1枚を抜きにJロック、そしてJ-POPを語ることはできないでしょう。
・・・と、このアルバムが世の中に大きな影響を与えたという事実は知っていました。
が、聞いたことなかった。

聞いたことないのなら、聞くしかねえ!
名盤の良さは自分の耳で確かめろ!
というわけで今回聞いてみました。
同じく聞いたことのない方にはぜひ参考にしてほしい。
ナチュラル・ボタニカル
全体を通して、素朴で味わい深い。
シンプルな楽器編成といい、ミドルなテンポといい、コードの自然さといい・・・。
ムダな混ぜ物、刺激だけが強い飾りといったいらないものを排した美しさがあります。
『風街ろまん』は”近代化していく日本から失われつつある原風景”をテーマにしているのではないか、と言われている1枚ですが、確かにそんな良さを感じるアルバムです。
風にゆれる田園、その葉のすれる音、ほんとうに美しいものをじっくり眺めているような・・・。
でも決して『優しくて当たり障りがないだけ』というものでもなく、強烈な個性を持っているトガッた楽曲もあります。(「颱風」とか)
トガッている曲でも、やはりムダがないんです。
不必要な演出がないからトガリが浮き立って、楽曲自体の印象をむしろ強烈なものにしている。
音楽って、引き算なんですね・・・。
音楽、好きっすねえ!
「これ作った人たち、音楽ほんとうに好きなんだろうな~」というのがびしびし伝わるアルバムでもあります。
まず、楽曲の節々に感じるビートルズの風味。
1曲目「抱きしめたい」の間奏なんて、そこだけ延々レコードで流されていたら『ビートルズにこんな曲あったんだ~』と納得しそうです。
特にドラムの音色とかちょっとしたフレーズにはすんごいビートルズを感じます、松本隆さんは影響を受けたのかな・・・。
そういった、『いろんな音楽をたくさん聞いてきた人たちによる音楽』っていうのがびしびし伝わります。
これは曲の表現の幅からも感じ取れます。
例えば「空いろのくれよん」では、大瀧さんのヨーデルにも似たファルセットが披露されます。
また、「はいからはくち」で鈴木さんのとんでもねえカッティングが炸裂したかと思ったら、次の「はいから・びゅーちふる」はゴリゴリのブルースであったり・・・。
4人それぞれの引き出しが多すぎるんですよね。
今まで聞いてきた音楽のあれもこれも全部再現したい!みたいな、少年のような心を感じます。
アルバムを聞いて『うまいな~』と思うことはたくさんありますが、『音楽好きなんだなあ~~~』と思えたのは初めてでした。
特におすすめの曲
個人的におすすめしたい曲をご紹介します!
「暗闇坂むささび変化」
これ、ボーカルラインはすごくシンプル。
なんですが、よく聞いてると松本さんのドラムがいろんなリズムを鳴らしていてめちゃくちゃ楽しいんですよね・・・。
ドラムに集中しすぎて歌詞が入ってこな・・・
ももんがじゃね・・・?
「花いちもんめ」
なんだか世界の新しい見え方がみつかった時のような、爽やかなサビのメロがすんごい好きなんですよね・・・。
サビで加わってくるシンセ、そんなに動き回っているわけでもないんですが、ものすごくいい仕事をしているんですよね。
神聖というか神妙というか、そういう気持ちにさせてくれる。
あと細野さんのベースが刻むリズムがかなりいい役割を担っているのがわかります。
これ、ベースがもっと単調だったら、曲全体が全く違う印象になっている気がする。
ラスト、あまり余韻を残さないまま「あしたてんきになあれ」に突っ込むところも好きです、無骨な感じで笑
「颱風」
トガりすぎてるて(爆笑)
ほぼ1分近くキックとボーカル(そして申し訳程度のアコギ)で聞かせる大瀧さんの技量がエグすぎる。こんな声色も出せるのですね大瀧さん・・・。
もうなんかその場でなんとなく鳴らされるセッションを聞かされているような・・・。
でもみんなうまいし、引き出しが多すぎて、一生聞いていたいほどの良さがあるんですよね。
途中「あれ?終わった??」と思わせてからの大瀧さんの「ほぉら!来たァ!!」はもう・・・シビれざるを得ません・・・。
あれ?私いつの間にかはっぴいえんどめっちゃ好きになってる???
まとめ
これ・・・
とんでもねえスルメアルバムだ・・・ッ!!!
本当にメンバー全員の『音楽だーいすき!』があふれていて、聞いていて楽しかったです。
私も自分の「音楽だーいすき!」の気持ち、感性を大切にしようと思えました。
また、名盤を聞いてみるという試み、むちゃくちゃ楽しかったのでまたやりたいと思います!
グラミー賞とかも調べてみたい。