聞きましたか。
「きょういくばんぐみのテーマ」。
今日は他に書きたい記事がありましたが、これを聞いた途端にこちらに切り替えました。これはヤバすぎる。
「アーティストのやみのおねえさんって何者?」みたいな記事はきっと別のブログさんがさんざん書かれてると思うので、そちらにおまかせして・・・。
この記事では徹底的にこの「きょういくばんぐみのテーマ」を掘り下げていきます!
テッテケテー!ではすまない重さ
軽快でわかりやすいわずか3秒のイントロの後、容赦なく繰り出される「まいにち じょうちょが ふあんてい」。
この歌詞ワンフレーズの重さすらまったく抱えきれていません。
ちょっと歌詞を見てください。
全文ひらがななのがまた・・・。
uta-netの「心を打つ言葉がぎっしり!」が違う意味に聞こえてきます。
ただ重い・暗いだけでなく
そこそこ プライド たかいのに
なんにも できない ゴミカスだ
など、ネガティブな人なら共感できそうな妙なリアルさが良いですよね・・・。良いのか・・・?
虚無ボーカル
お〇あさんといっしょのような軽快な曲調に、大人でもなかなか受け止めきれない重たい歌詞。
それだけでインパクト十分ですが、それだけじゃない上手さもあります。
曲の趣旨を理解してからボーカルをよく聞くと、すんごい虚無なんです。
聞いてみてください。
初めて聞いた時、「あれ?ボーカロイド?」と思いました。それくらい感情がないんです。淡々と歌詞を吐いてる、という印象。
この感情の感じられない虚無さと異様に楽しそうな曲調が、この曲の趣旨、歪みみたいなものをものすごくうまく演出している。
やみのおねえさん、すんごく歌の上手い方なんだと思います。表現力がすごい。
不気味で巧みな演出
1番と2番の間奏の「ザーッ・・・」という砂嵐のようなSE、曲が途切れる演出。不安で不気味な雰囲気を作り出しています。
そしてさらに聞いてもらいたいのが、その後2番Aメロの2回し目。
「だれもが うらやむ あのこさえも・・・」のパートです。
後ろでおもちゃのピアノみたいな音が鳴っているんですが、一番不穏な歌詞の裏で不協和音になっています。
このすごく気持ちの悪い感じ。歌詞に合いすぎている・・・。
それからこれは1番の同じパートでもそうですが、サビ直前の「ゴールなんか そんざい しないよ」の「よ」であえてメロディーラインが下がり、コードもマイナーになっています。
すごいですよね、サビ前なのにトンと気持ちが盛り下がる・・・!笑
でも歌詞内容を考えると、ものすごく的確に感情を揺さぶっているんですよね。うまい。
あと細かいんですが、2番サビの「もう おどる きもない」の後左から聞こえるベル・・・みたいな音、音程が若干低い気がするんですよね・・・。あるべきはずの余韻もない。
こういった不自然さも不安な気持ちの表現に繋がっている気がして、細かいところまで作りこまれているな・・・というのを感じます。
『創作』
「教育番組」という明るくて毒気のないものに、最上級の闇を掛け合わせると、音楽としてどうなるか?。
こういう実験的な手法、これこそが創作というものの面白さなのでは・・・と私は感じました。
芸術として・・・のような固くて大袈裟な話ではなくて、「こういうことしたらどうなる?」といった挑戦的・冒険的な発想で今までにない音楽が生まれたら、音楽シーンはさらに楽しいだろうな・・・と。
本当に勝手なイメージでしかないですが、この曲を聞いて「あ~、こういうのやりたいのに~!」と思ったミュージシャンの方もいたかもしれない・・・と思いました。
曲自体は重くてツライですが、発想やアイディア、それらへの手の掛け方にはものすごくポジティブなものを感じたのです。音楽って自由だなあ!
まとめ
ただの出オチじゃなく、細部まで手のこんだ名曲です。
やみのおねえさんも作曲者さんも、この曲に真摯に向き合ってるな・・・と感じました。
そしてやはり発想がおもしろい。
この先やみのおねえさんや作曲者のももにくすさん、編曲のやみのおにいさんがどんな活動なさるのかわかりませんが、今後の展開も楽しみですね・・・!
ちなみに私は分析のためにこの曲を聞きまくっていたら少し気分が落ち込んでしまいました。笑 何事も用法容量を守ってお楽しみください・・・!
お読みいただき、ありがとうございました!
次の素晴らしい音楽でお会いしましょう。
Have a nice music!